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東京五輪へ明るい兆しの日本新5つ。
「競泳W杯」松田丈志レポート (3ページ目)

  • 松田丈志●文・写真 text & photo by Matsuda Takeshi

 練習から誰かと競い合うのが好きだと話す彼女の成長が加速していきそうだ。

 世界水泳200m平泳ぎ銀メダリストの小関也朱篤は50m平泳ぎで日本記録を更新。今大会100m平泳ぎとともに2冠を達成した。今夏の世界水泳での銀メダル獲得で、より自信を深めているし、50mから200mまでこなせる平泳ぎ選手としての総合力は間違いなく世界トップレベルだ。

 だからこそ、今後は50mでも勝負できるスピードを100mや200mにどうやって活かしていけるかが課題だろう。

 今大会は最もスピードが上がる50mが一番スムーズに泳いでいるように見えた。50mよりはスピードを抑えて泳ぐ100mの時に、泳ぎが少しカクカクしているように私からは見えた。スピードを抑えた時に1ストロークのなかのどこで間をおくのか、このテクニックは今後100mや200mで世界と勝負するにはとても重要な要素になる。

 距離ごとに泳ぎを使い分け、ストロークのリズムやペース配分をどう操るのか。夏の世界水泳でもうまくペースをコントロールして200m平泳ぎで銀メダルを獲得したが、今後より自在に泳ぎとペースを操れるようになれば、東京五輪での金メダルを含む複数メダルも見えてくるだろう。

 瀬戸大也は400m個人メドレーで世界記録に挑むとレース前に公言していたが、記録更新はならなかった。ただ300mまでは世界記録を上回り、今後に向けて大きな可能性を示した。

 本人は記録更新を宣言したことで、初めの種目バタフライで力んでしまったと言っていたが、その影響か200mの折り返しがベストラップよりも1秒遅れた。この前半の1秒と後半200mの平泳ぎと自由形で1秒上げられれば記録更新も可能だ。

 瀬戸は昨シーズン終わりからここまでの期間、結婚式やハネムーンなどがあり、準備期間が十分だったわけではない。それでもこれだけのパフォーマンスができるのは、彼の持ち味である集中力の高さと、これまで磨いてきた技術の高さゆえだろう。初日の200m個人メドレーでは自己ベストを更新している。

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