箱根駅伝初出場を目指す明治学院大学新監督・中村匠吾の背中を押した恩師3人の存在 (2ページ目)
【大学院で学んだ知見を現場に生かしたい】
明治学院大は『Road To 箱根 2030』を掲げて、2030年の箱根予選会を突破し、31年の本戦出場を目標としている。強化の進捗状況次第では、目標を前倒しすることもあるが、当面は5年後の箱根駅伝出場を目指していく。まず新年度は、予選会の過去最高順位(19位)更新を目標に据えている。
現役を退いたばかりで指導未経験とはいえ、指導者になるための準備を中村は進めてきた。昨年4月からの1年間(今年3月に修了)、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科でトップスポーツのマネジメントを学んだ。
師事したのは平田竹男教授。平田ゼミでは、プロ野球の桑田真澄(現・オイシックス新潟CBO)や二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)といったスポーツ界の著名人が数多く学んでいる。大学駅伝界では、青山学院大の原晋監督も2017年度に同ゼミに在籍した。
「平田教授はトップスポーツの分野を切り開いてきた最先端の方。生理学を学ぶか、迷った部分もあったのですが、私が指導者を目指すうえで必要な要素は、スポーツのマネジメント力だと考えて、1年間トップスポーツの世界を学んできました」
この1年間は、日中は練習に励み、夜の18時30分から21時30分まで大学院で学ぶという、二足の草鞋を履く生活を送ってきた。
昨夏には1週間、ニューメキシコ大学に出向いて研修をし、アメリカのトップチームの育成方法に触れた。そして、現地で学んだことを箱根駅伝にどのように生かしていくかを考察した。昨年10月の出雲駅伝ではIVYリーグ選抜の臨時コーチも務めた。
また、研究の一環で青山学院大の合宿に2泊3日で参加し、「原さんの箱根駅伝に対する考え方や練習内容をいろいろお聞きすることができた」と言う。
そして、それら現場で見聞きしたことを『近年好成績を残しているアメリカの長距離トレーニングの日本への適応可能性』という題で修士論文にまとめ上げた。その論文は1月の発表会で優秀論文賞にも選ばれたという。
「論文上だけで終わりにするのではなく、実際に現場で生かしていくという視点を持ちながら、アメリカのよさと、私自身が取り組んできた日本のよさとを融合させて強化していきたいです」
こう話すように、大学院で学んだことを机上の空論には終わらせずに、自身の経験と融合させて指導者としての中村独自のカラーを打ち出していくつもりだ。
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