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【箱根駅伝】早大OB・瀬古利彦が考える王者・青学大との差「工藤君が1位になった時には、おいしいお酒が飲めると思ったんだけど...(笑)」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Shun Sato

【来年こそは花田監督に男になってもらいたい】

――今春、早大には史上最強とも言われる顔ぶれの高校トップランナーたちが入学してきます。来年こそ箱根の総合優勝を狙える陣容になるのではないでしょうか。

「それぞれがちゃんと強く育ってくれるといいんですけど、王様みたいな選手ばかりだとまとまりにくいんですよ。でも、青学大はそういう選手たちをうまくまとめている。それを花田監督もできると強くなっていくと思います」

――その花田監督が現役時代の早大も、個性の強い選手ばかりでしたよね。

「彼らがまとまったのは、当時の監督がよかったからですよ(笑)」

――そういえば、瀬古さんが監督でした(笑)。

「まあ、私が監督だった時代は、選手たちに『(キツい練習を)やれよ』と言い含めるだけで済みましたけど、今はそういう指導の時代じゃない。花田監督も大変ですよ。本当によくがんばっていると思います。だから、勝たせてあげたいんですけど......。"天敵"の青学大は手強いですが、新入生が今年の鈴木君みたいに1年から戦力になってくれれば、早稲田も面白くなりそうです。山に工藤君もいますからね」

――その工藤選手は来年の箱根について、平地での出走をにおわせる発言もしています。

「あれだけ悔し泣きしたんだから、個人的には山でやり返してほしいです。ただ、鈴木君も5区で走れそうな感じがしますよね。彼が5区を走ったら、今年の黒田君以上にみんな驚くでしょう(笑)。そうやって、あれこれ策をめぐらしつつ、来年こそ花田監督には男になってもらいたいです」

インタビュー後編を読む>>>【マラソン】レジェンド瀬古利彦、黒田朝日をはじめ若手の台頭に大いに期待「いつまでも大迫じゃないだろうというところを...」

瀬古利彦(せこ・としひこ)/1956年生まれ、三重県桑名市出身。四日市工業高校から本格的に陸上を始め、インターハイでは800m1500mで2年連続二冠を達成。早稲田大学へ進み、箱根駅伝では4年連続「花の2区」を走り、3、4年時には区間新記録を更新。トラック、駅伝のみならず、大学時代からマラソンで活躍し、エスビー食品時代を含めて、福岡国際、ボストン、ロンドン、シカゴなど国内外の大会での戦績は1510勝。無類の強さを誇った。オリンピックには1984年ロサンゼルス大会(14位)、1988年ソウル大会(9位)と二度出場。引退後は指導者の道に進み、2016年から2024年まで日本陸上競技連盟の強化委員会マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(マラソンリーダー)を務め、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)を設立し、成功に導いた。現在はDeNAスポーツグループのフェロー。自己ベスト記録は2時間0827秒(1986年シカゴ)

著者プロフィール

  • 佐藤俊

    佐藤俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

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