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【箱根駅伝2026】渡辺康幸の視点:力は拮抗も打倒・青学大を果たせなかったライバル校(早大、中大、國學院大) その差は地力ではなく「噛み合い方」 (3ページ目)

  • 牧野 豊●取材・文 text by Yutaka Makino

【順大の総合3位と帝京大の不屈の魂に敬意】

 予選会突破から総合3位に入った順天堂大は、大会前はシード争いのグループとして予想していました。実際、12月上旬に練習を拝見した時はみんな調子も雰囲気もよく、「もっと上に来るかもしれない」と感じました。ただ、それでも総合5位前後とみていました。

 振り返ってみると、突出した区間があったわけではありません。それでも9人が3年生以下。大学入学後は足踏み状態だった吉岡大翔選手(3年)が2区で存在感を発揮し、復路を走った4人の2年生のうち3人が区間3位以内でした。2年生は10区間中5人が走ったので、順調に育ってきている証拠だと思います。

 あと今大会で大きく注目を集めたチームといえば、帝京大でしょう。前評判が非常に高く、トップ5候補として見ていたのですが、自慢の1、2区で予想外の大ブレーキ。この時点で私自身、「シード争いも無理だろう」と考えていました。中野監督には頭を下げなければいけません(笑)。

 帝京大は科学的なトレーニングなど現代的な要素を取り入れた練習も行なっているのでしょうが、それ以前の練習量や根性といった「昭和的な強さ」を持っている。だからこそ、ブレーキ区間が出ても、ほかの選手が引きずられずに走ることができる。それを可能にしているのは、日頃の厳しい練習と、そこから生まれる規律です。まさに「中野イズム」ここにあり、という典型的なレースでした。
 
 実際、往路が終わった芦ノ湖で取材していると、帝京(17位)の前にいる11位以下のチームの監督のほとんどが、「帝京が後ろにいるのはイヤだな」と口を揃えていました。中野監督と帝京大は、そういうチームなのです。

 これは優勝した青学大、12年ぶりのシード権を獲得した現在の日大にも共通していることですが、日頃から泥臭い、地道な取り組みをいかに積み重ねていくかどうか。それができれば規律が確立され、それがいざという時の強さにつながることをあらためて感じました。

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