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【箱根駅伝2026】スピード軍団・中央大、箱根では「先手必勝。最初からいく」 全日本2位で「夏の手応え」をつかんだ

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun

全日本の最終7区で、区間2位の好走を見せたエースの溜池一太 photo by SportsPressJP/AFLO全日本の最終7区で、区間2位の好走を見せたエースの溜池一太 photo by SportsPressJP/AFLO

【出雲駅伝での苦戦も想定内】

「溜池、来い!」

 アンカーの溜池一太(4年)がゴールに飛びこんでくる直前、藤原正和監督が大きな声で叫び、その体を選手たちとともに受け止めた。11月2日に行なわれた全日本大学駅伝、中央大は2005年以来、20年ぶりとなる2位でフィニッシュした。

「いや~、ここまできたら優勝したかったですけどね」

 そう言いながらも、藤原監督の表情は明るい。

 今季の3大駅伝の初戦となった出雲駅伝(1013日)は、1区の岡田開成(2年)が区間賞を獲る好スタートを切った。だが、2区で期待のルーキー、濵口大和(1年)が遅れると、その後も波に乗れない走りが続き、10位に終わった。惨敗に等しい。ただ、この結果はそれほど深刻にとらえる必要がないものだった。

「(出雲は)僕(4区7位)も含めて、みんな脚の重さや多少の疲労感を抱えてのレースでした」

 キャプテンの吉居駿恭(4年)がそう語るように、走りこんだ夏合宿の疲れが残っているなかでのレースだった。加えて、濵口など今後を見据えたテスト的な意味合いも含めた起用もあり、おそらく難しい駅伝になることは、ある程度予測できていた。それも、あくまで箱根駅伝で勝つための布石なわけだが、トラックシーズンで好記録を出してきた中大だけに、周囲からは「大丈夫なのか」と見られた。

 その出雲から全日本大学駅伝まで3週間あまり、今回、2区2位と力を発揮した吉居は、ふたつのことに注力してきたという。

「出雲は、夏合宿の疲労が抜けなかった部分があり、うまく走れないのは仕方ない部分があったんですけど、それを言い訳にする選手がいたり、2区で濵口がブレーキして、想定よりも後ろの順位で来たことで、(走る前に)集中力が切れてしまった選手がいたりしたんです。そういうところをもう一度見直して、精神的にもっと強くなろうということをメインにやってきました。そして、もうひとつは、個々のコンディション。ただ、これはなかなか厳しかったですね」

 どういうところが厳しいと感じていたのだろうか。

「疲労が残っている影響のせいか、自分もですけど、みんなスピードを出しづらいと言っていました。個人的にも、監督にその話をしたところ、『疲労を抜いて調整していけば(スピードは)出るから』と言われたのですが、前回の箱根を100%とすると60%ぐらいの仕上がりでした。ただ、60%のなかでのマックスは出せたのかなと思います」

 4区で区間賞を獲った柴田大地(3年)は「単独走」が重要なテーマだったという。

「出雲で主力が出場して、あんな結果になって、チーム内では『単独走で勝負できていない』という認識が共有されました。全日本まで3週間という短い期間でしたけど、ロードで単独でもしっかり走るということを全員が意識して臨めたのがよかったと思います」

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著者プロフィール

  • 佐藤俊

    佐藤俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

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