【東京世界陸上・記者の推し選手】早大サークルから世界へ飛び出した小林香菜の未知数の伸びしろに期待 (2ページ目)
●三浦龍司(SUBARU)男子3000m障害
2021年の東京五輪で7位、昨年のパリ五輪で8位とオリンピックで2大会連続の入賞を果たし、2023年の世界陸上選手権ブダペスト大会で6位。数々の"日本初"の快挙を成し遂げ、23歳の三浦龍司(SUBARU)は、男子3000m障害の日本の歴史を切り開いてきた。
三浦が新たな金字塔を建てたのが今年7月だった。ダイヤモンドリーグ・モナコ大会で自身の記録を一気に6秒も更新し、2年ぶりに日本記録を打ち立てた。その記録、8分03秒43は今季世界リスト3位だ。
記録もさることながら、レース内容も圧巻だった。ラスト1周で猛烈に追い込み、世界大会で連勝中の絶対王者、スフィアン・エルバカリ(モロッコ)にあと一歩まで迫った。この活躍に、我々メディアは沸き立った。"世界選手権のメダルが見えた"と思ったファンも多かっただろう。
だが、当事者はいたって冷静だった。
三浦を指導する順天堂大の長門俊介駅伝監督は「世界記録を狙って序盤から飛ばしたエルバカリが、記録が出ないとわかって、ペースを急に緩めたから」と解説してくれた。三浦自身も、手応えを口にしつつも「一発ではなくて、しっかりと(練習を)積み重ねたうえで再現できるように、脚作りをしていくことが必要」と気を引き締め直していた。
とはいえ、彼らが浮き足立っていないからこそ、こんな頼もしい発言と冷静な分析を聞いて、かえって期待したくもなった。
三浦に期待していること。それは、連続入賞はもちろん、その上のメダル獲得、そして夢の7分台とたくさんある。三浦ならば、いつかは成し遂げてくれると思うが、願わくば9月の東京であってほしい。
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