【東京世界陸上・記者の推し選手】村竹ラシッドには8月に体現した"近未来のレース"を世界の舞台でも! (4ページ目)
●三浦龍司(SUBARU) 男子3000m障害
中長距離種目は男子3000m障害の三浦龍司(SUBARU)が非常にホットだ。4年前の東京五輪で7位、2023年ブダペスト世界陸上で6位、昨年のパリ五輪で8位と世界大会で入賞を重ねてきた。そして今季は7月11日のDLモナコ大会で爆走を見せている。
前半は後方で落ち着いてレースを進めると、徐々に順位を上げていく。そしてラスト1周でギアチェンジ。オリンピック連覇中のスフィアン・エルバカリ(モロッコ)と大接戦を演じて、2位に食い込んだのだ。自身が持つ日本記録を6秒以上更新する8分03秒43をマーク。このタイムは今季世界リスト3位となる。
「世界陸上の目標は表彰台、メダル獲得を掲げていますし、プラスして記録も更新していきたい。将来的にはトップを極めていくような目標を持っています」
23歳の三浦の持ち味は障害と水濠のクリアランスのうまさにある。そして昨季からポイント練習(実戦に近いスピードで行なう練習)のあとに障害を置いた状態で、400mや600mをほぼ全力で走るという独自メニューを取り入れて、終盤のキック力と障害スキルを磨いてきた。国立競技場の大声援が三浦のラストスパートに力を与えるはず。特に水濠からフィニッシュラインまでの約150mが"熱い時間"になりそうだ。
著者プロフィール
酒井政人 (さかい・まさと)
1977年生まれ、愛知県出身。東農大1年時に出雲駅伝5区、箱根駅伝10区出場。大学卒業後からフリーランスのスポーツライターとして活動。現在は様々なメディアに執筆している。著書に『箱根駅伝は誰のものか』『ナイキシューズ革命 〝厚底〟が世界にか
けた魔法』など。
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