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【東京世界陸上・記者の推し選手】村竹ラシッドには8月に体現した"近未来のレース"を世界の舞台でも! (2ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato

●福部真子(日本建設工業)女子100mハードル

 日本のショートハードルは女子にも注目したい。なかでも福部真子(日本建設工業)は、ぜひ頑張っていただきたい選手だ。

 福部は女子100mハードルでインターハイを3連覇した逸材。昨年は7月に自身が保持していた日本記録を12秒69まで更新すると、パリ五輪では準決勝に進出した。東京世界陸上での躍進が期待されていたが、12月に発熱やリンパ節の腫れを伴う菊池病の発症を公表。当初は「普通の生活が送れるのか」という状況から競技に復帰した。

 今季は37度台の熱が出ることが少なくないなかで、「できることを全力でやる」という日々を過ごしてきた。シーズンインが遅れたものの、7月上旬の日本選手権で3位を確保。8月の実業団・学生対抗競技大会では12秒74に終わったが、翌週のAthlete Night Games in FUKUIで世界陸上参加標準記録にピタリ到達する12秒73(+1.4)をマークした。

「自分史上一番難しい世界陸上になるのは覚悟しています。その日、その日でベストを尽くしてきたからこそ、予選、準決勝でも、その日のベストを尽くせば何かしらついてくる。そういう世界陸上も素敵だなと思っています」

 東京世界陸上では1ラウンドでも多くのレースに登場して、「日本記録(12秒69)の更新も狙いたい」という福部。彼女が活躍することで、菊池病の認知が広まり、同じ苦しみを抱える人たちの勇気になるはずだ。

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