【東京世界陸上・記者の推し選手】2種目出場の田中希実、海外転戦で身につけた「積極的なレース」に注目! (3ページ目)
●鈴木芽吹(トヨタ自動車)男子10000m
駒澤大時代、3年時には出雲、全日本、箱根の駅伝3冠を達成した。4年時には主将となり、チームを牽引。箱根は優勝できなかったが、出雲と全日本を獲り、2冠を達成している。
トヨタ入社後も、引き続き駒大の大八木弘明総監督が指導するGgoatで練習をしており、5000m(13分13秒80)と10000m(27分20秒33)で自己ベストを更新。世界陸上に標準を合わせた。その選考会を兼ねた今年4月の日本選手権10000mでは27分28秒82で初優勝を果たした。「今日勝てなければ一生勝てないと思った」と涙ながらに語る姿には、この1戦に賭けた鈴木の思いの深さを垣間見ることができた。
今大会に向けては菅平やスイスで合宿をこなし、いよいよ世界の舞台に立つことになる。ただ、24歳の鈴木自身は気負ったところがない。自らを世陸出場のボーダーラインの選手と位置付け、世界との差を肌で感じるためのレースととらえている。
目標は、塩尻和也(富士通)が持つ日本記録(27分09秒80)を超え、26分台を目指したいという。ただ、世陸は勝負レース。ペースの上げ下げや終盤のラストスパートが勝負の決める重要ポイントになる。日本選手権での鈴木のロングスパートは実に見事だった。世界相手に彼の持ち味がどこまで通用するかに注目だ。
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