【東京世界陸上・記者の推し選手】2種目出場の田中希実、海外転戦で身につけた「積極的なレース」に注目! (2ページ目)
●吉田祏也(GMOインターネットグループ)男子マラソン
現在、28歳の吉田が初めて大きな注目を集めたのは、青山学院大4年時の箱根駅伝4区で区間新記録を出した時だった。もともと、大きなケガもなく、ひたすら練習する「練習の虫」だったが、それまではなかなかスポットライトが当たらなかった。
その箱根の1カ月後の別府大分毎日マラソンで日本人トップの3位(2時間08分30秒)となり、内定をもらっていた一般企業への入社を辞退、GMOで実業団選手としてスタートした。実業団1年目は福岡国際マラソンで優勝するなど、結果を出したが、その後は伸び悩む時間が続いた。
2024年1月、「大学時代が一番成長とした」という吉田は練習の拠点を青学大に移して、原晋監督のメニューをこなすようになった。スピード練習とマラソン練習をうまく融合し、昨年の福岡国際マラソンで日本歴代3位の2時間05分16秒で優勝を果たし、世界陸上の出場権を勝ち取った。
世陸に向けての練習の消化率はほぼ100%で、今回のレースに対する強い意欲がうかがえる。マラソンはケニア、エチオピア勢の時代で、今年の東京マラソンを制した2時間03分23秒で制したタデセ・タケレ(エチオピア)をはじめ、2時間02分台、03分台の自己ベストを持つ選手たちが出場する予定だ。
とはいえ、大きな大会はハイペースになる可能性が低いので、先頭集団について走り、35kmからの勝負どころでどこまで粘って戦えるか。練習の成果を発揮できれば、目標に掲げる大迫傑(東京陸協)超えの東京五輪6位入賞の5位以内が見えてくるだろう。
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