【東京世界陸上・記者の推し選手】男子競歩・山西利和は3度目にして最後の20km世界王者となり、復活の狼煙を! (3ページ目)
●山西利和(愛知製鋼)男子20km競歩
メダルへの期待となれば、過去5大会で9個のメダルを獲得している男子競歩は外せない。大会初日の35kmでは川野将虎(旭化成)が3大会連続のメダル獲得を目指すが、大会9日目の20kmでは2019年ドーハ大会と2022年オレゴン大会を連覇した山西利和(愛知製鋼)の復活に期待だ。
3連覇がかかった2023年ブダペスト大会は、前年の連覇達成後に目標が曖昧になったこともあって24位に沈み、昨年は厚底シューズを試したことで持ち味である歩型が乱れてパリ五輪代表を逃していた。だが昨年春からは、自分の歩きに合う厚底シューズも見つけた。そして2月の日本選手権では、13kmからのペースアップで独歩状態を作るとそのままペースを落とさず、鈴木雄介(富士通)が2015年に出していた世界記録を26秒更新する1時間16分10秒で優勝して世界陸上代表内定を決めた。
その後もワールドカップ・ポーランド大会20kmで優勝し、トップ選手が揃うグランプリ大会のラ・コルーニャでも優勝。世界ランキングも6月10日以降は1位を維持し、世界のトップ選手たちにも復活を強く印象づけている。
競歩はパリ五輪では35㎞が外され、男女20kmと混合マラソンリレーの3種目が行なわれたが、来年からは20kmがハーフマラソンの距離になり、35kmはフルマラソンと同じ42.195kmで実施される予定。山西は20km競歩の「最後の世界記録保持者」として名前を残す可能性が大きいだけに、「最後の世界王者」という称号も一緒に保持してほしい。
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