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箱根駅伝を識者3人が総括 青学大が見せた強さや他校の誤算、壮絶なシード権争いを振り返った (2ページ目)

 シード権争い(8位以降)は四つ巴のスパート勝負になり、東京国際大、東洋大、帝京大の3校が制して伝統校の意地を感じたが、新興校である東京国際大の粘りは見事としか言いようがない。予想で9位に挙げた立教大は、7区でブレーキがあってシード権を争えなかった。往路は8位でシード圏内に入り、すばらしい駅伝を見せただけにもったいない復路になった。

 来年は青学大の3連覇がかかる。駒大、國學院大、早大、中大あたりが「打倒・青学」の包囲網を敷けば、面白い駅伝になりそうだ。

【駒大は予想以上の走り。中大はさらなる飛躍に期待】

■酒井政人(スポーツライター)

(予想)     (結果)

1)青山学院大  1)青山学院大

2)國學院大   2)駒澤大 

3)創価大    3)國學院大

4)駒澤大    4)早稲田大

5)早稲田大   5)中央大

6)城西大    6)城西大               

7)東洋大    7)創価大

8)法政大    8)東京国際大

9)帝京大    9)東洋大

10)立教大    10)帝京大

 青学大は2区の黒田朝日、5区の若林宏樹、6区の野村昭夢が想定以上とも言える快走を披露。特に黒田の1時間05分44秒と、野村の56分47秒というタイムには驚かされた。勝因としては、山に入る前に駒大と國學院大に1分半以上のリードを奪ったのが大きかっただろう。とにかく強かった。

 駅伝3冠を目指した國學院大は、全体的に走りが重かった印象がある。V候補として注目を浴びた重圧があったのかもしれない。それでも、往路6位から最後は3位まで順位を押し上げて選手層の厚さを見せつけた。

 一方、4位と予想した駒大が2位に入った。5区の山川拓馬以外は期待以上の走りだったのではないだろうか。特に7区に入った佐藤圭汰は、区間記録を1分近くも短縮。チームとして復路を大会新で制したのは正直、予想外だった。

 創価大は2区の吉田響が強烈な走りを見せて、3区のスティーブン・ムチーニが青学大をかわして2位に浮上。往路でインパクトを残したが、9、10区で順位を3つ落としたのが悔やまれる。
 
 5位と予想した早大が4位で、6位と予想した城西大が6位。シード権争いに飲み込まれることなく上位でレースを終えた。欲をいえばキリがないが、両校とも大きなミスはなく、しっかりと実力を発揮した結果だっただろう。

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