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東京マラソンで鈴木健吾は大迫傑の座を脅かせるか パリ五輪代表、最後の切符は誰の手に?  (2ページ目)

 ここまで2レースは、設定タイムを越える選手はおらず、依然として大迫がパリに一番近いところにいる。
 
 では、東京マラソンで誰が2時間05分50秒を切って、優勝するのだろうか。
 
 出場ランナーを見てみると、マラソン日本歴代トップ5のうち、3名がエントリーしている。日本最速の鈴木健吾(富士通・2時間04分56秒)、山下一貴(三菱重工・2時間05分51秒)、其田健也(JR東日本・2時間05分59秒)だ。さらに細谷、西山和弥(トヨタ・2時間06分45秒)、西山雄介(トヨタ・2時間07分47秒)ら多くの選手が出走する。
 
 昨年のMGCは大雨の中、気温が下がり、鈴木、其田を始め、転倒した細谷も途中棄権に終わった。とくに鈴木が12キロで途中棄権したのは衝撃的だった。「調整不足で勝負にならない」と早めの決断を下し、ダメージを最小限にとどめた。その後、なかなか調子が戻らなかったが、故障がちな体を労わり、メリハリをつけて調整してきた。4分台の日本記録を持っているので、そこまで戻していくのは簡単ではないが初めて5分台を出す選手よりも容易ではある。「自分自身がいい練習がどれだけできるか。いい練習ができたら絶対に勝負に絡める」と言うようにここまでしっかりと練習をこなし、自信を持ってスタートラインに立つ。得意の省エネ走行で、びわ湖毎日マラソンで日本記録を出した時のように後半、ペースを上げていくレースが展開できれば、一山麻緒とともに夫婦でのパリ行きが見えてくる。
 
 鈴木を追うのは、山下だ。MGCは、ブタペスト世界陸上から1カ月半しか余裕がなかったが、それを言い訳にせず最後まで走り切って32位で終えた。レース後は「2週間前に足が痛くなって、3日間ほど休んだんですけど戻らなかったですね」と苦笑いを浮かべていたが、同じ轍は踏まない。昨年の世界選手権は、暑さでリタイヤする選手が続出する中、一時は40キロ地点で5位まで順位を上げ、世界と戦えることを証明した。大舞台にも強く、昨年の東京マラソンで自己ベストを更新して日本人トップ。コースを熟知しているアドバンテージは大きく、今回も自己ベスト更新でパリ行きを決める可能性は十分ある。 

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