箱根駅伝で前監督解任を乗り越え立教大はどうチームを立て直したのか 区間3位の快挙もあった奮闘ぶりを学生記者がつづる

  • 熊谷光洋(立教スポーツ編集部)●取材・文 text by Kumagai Mitsuhiro
  • 関根拓人(立教スポーツ編集部)●撮影 photo by Sekine Takuto

 1月2、3両日で開かれた箱根駅伝で2年連続出場を果たした立教大は健闘を見せた。昨年10月の予選会直前に、上野裕一郎・前監督が不祥事で解任され、逆境のなかで挑んだ大会。部員一丸の「成長の軌跡」を立大体育会機関紙「立教スポーツ」の熊谷光洋・編集長(経済学部3年)がつづる。

箱根駅伝で立教大のアンカーを務めた関口絢太箱根駅伝で立教大のアンカーを務めた関口絢太* * *

【シード権は手の届くところにある】

 立大は目標にしていた「シード権獲得(10位以内)」には届かなかったものの、結果は前回の18位から4つ順位を上げ、14位。確かな成長を実感させた。

 江戸紫のタスキをつなぐべくまず走り出したのは、2年連続で1区を任された林虎大朗(3年)だ。中盤までは第2集団に食らいつくも徐々に離され、トップから約2分後に18位で鶴見中継所へ到着した。

 続く「花の2区」を託されたのは國安広人(2年)。各校のエース相手に粘りきれず、21位まで順位を落としてしまう。このままでは終われない立大は、3区の馬場賢人(2年)が区間8位となる意地の走り。懸命なラストスパートで中央学院大を交わし、順位を2つ上げた。そこから波に乗った立大は17位まで浮上し、初日(往路)を終えた。

 迎えた復路。山下りの6区を担ったのは1年生の原田颯大だった。「落ち着いて自分の走りができた」と、初の大舞台で堂々の走りを見せ、15位でタスキをつないだ。その後は初出場の8区・稲塚大祐(3年)の健闘、アンカー・関口絢太(4年)の区間3位の好走もあり、順位をひとつ上げた。昨年からタイムを7分以上縮め、総合14位で大手町へとたどり着いた。

 試合後、林英明コーチは「目標達成とはならなかったが、この結果を誇りに思ってほしい」と選手を労(いたわ)るとともに、「シード権は手の届くところにあるので、来年は必ず目標を達成したい」と飛躍を誓った。

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