箱根駅伝で前監督解任を乗り越え立教大はどうチームを立て直したのか 区間3位の快挙もあった奮闘ぶりを学生記者がつづる (2ページ目)

  • 熊谷光洋(立教スポーツ編集部)●取材・文 text by Kumagai Mitsuhiro
  • 関根拓人(立教スポーツ編集部)●撮影 photo by Sekine Takuto

【山下りで真価を見せた若武者】

 立大躍進の立役者となったのは、箱根駅伝初出場を果たした原田。1年生ながら、負担が大きい山下りを任された。昨年10月の予選会ではエントリーメンバーに選ばれるも、出走することは叶わなかった。「悔しさを箱根でぶつける」。そんな思いで臨んだ。

 6区に照準を合わせていた原田は、強みである山下りのさらなる強化を図った。ポイント練習でも泥臭く走り込む。ふだんのトレーニングから妥協を許さず追い込む姿が、周囲の信頼を勝ちとっていった。

 序盤4キロ地点の上りでは15位にとどまるが、「山下りの能力は傑出している」と林コーチが評するように、原田の真価はここからだった。下りに入ると徐々にペースアップ。初出場とは思えない落ち着いた走りで、ライバルたちを次々に抜き去った。

 速度が落ちやすいラスト3キロも粘りきり、区間11位となる好走。己の実力を大舞台で証明して見せた。「来年は区間ひと桁を狙いたい」と意気込む若武者の瞳には、確かな決意が宿っていた。

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