箱根駅伝で前監督解任を乗り越え立教大はどうチームを立て直したのか 区間3位の快挙もあった奮闘ぶりを学生記者がつづる (4ページ目)
【成長の背景に高い自主性】
今季、着実な成長を遂げた立大。それを支えているのは各選手の高い自主性だ。予選会直前に、指導者を失って以降、彼らには自分で考えて動くことが否応にも求められた。
解任された前監督のあとを受けた原田昭夫総監督(1月4日付で辞任)は、現役時代は棒高跳びの選手であり、駅伝は専門外。林コーチも大学職員と並行して指導者の立場にあるため、選手につきっきりの指導は難しかった。
そのため前年の練習を踏まえ、宮澤徹主将(4年)を中心に選手たちがメニューの考案を行なった。結果、学生同士でのコミュニケーションをとる機会が増え、おのおのが自主性をもって練習に取り組むようになった。育んだ自主性は確固たる自信につながり、チームを新たなステージへ押し上げる重要なピースとなった。
1年生の原田から4年生の関口まで、個人が高い主体性を持っていたからこそ、総合14位を成し遂げられた。
指導者が不在のなかでも時計の針は進んでいく。今後も選手たち自身で助け合い、困難に打ち勝っていくことが、さらなる成長へのカギとなるだろう。来年こそは大会史上最長ブランクとなる63年ぶりのシード権獲得へ。古豪復活の日は近い。
左から原田昭夫総監督(当時)、水取一樹主務、山本羅生選手、宮澤徹主将、林英明コーチ
著者プロフィール
熊谷 光洋 (くまがい・みつひろ)
2002年、埼玉県生まれ。中学、高校時代は水泳部に所属も、思うような結果を残せず学生生活を終える。立教大学入学後はプレーヤーとしてではなく、別の形でスポーツに携わりたいと考え、「立教スポーツ」編集部に入部。担当は陸上、サッカー、バスケットボールなど。大学2年冬から1年間、編集長を務めた。
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