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「怒られるのを覚悟で大八木(弘明)監督の部屋を訪ねました...」 駒澤大・藤田敦史新監督が見た28年間での名将の変化とカリスマ性 (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • 岡庭璃子●撮影 photo by Okaniwa Rico

●「さすがにあれはまずいぞ」大八木監督とぶつかった日

ーー学生時代の藤田監督も受動的だったのでしょうか?

 私は、どちらかと言うと、その当時でも大八木とけっこうぶつかったほうでした。

 よく覚えているのは大学2年生の時です。白子(千葉)の合宿中に脚が気になったことがあって、大八木にはストップをかけられたんですけど、私は練習をやめなかったんです。それで脚をケガしてしまいました。

 大八木に「ほら、見ろ」という感じに言われて、「自分は強くなりたくて、できると思ったからやったんだから、後悔はしていません」と言い返したんです。私も頑固でしたから(笑)。そのあとは周りが大変でしたよ。先輩からは「さすがにあれはまずいぞ」って言われました......。

 私もよくなかったなと思い返し、怒られるのを覚悟で監督の部屋を訪ねました。すると、そんなことはなくて、大八木からは「お前がエースとして頑張ろうとしているのは理解しているし、そういう気迫をもった選手は好きだから」と言ってもらいました。

 そのうえで「自分のわがままで脚を痛めたら、マネージャーはお前につきっきりになって、他の選手の練習を見られないだろう。チームで合宿に来ているんだから」と諭されました。まさに正論なんです。「エースになりたいんだったら、チームのことを考えなさい」と言われて、ぐうの音も出ませんでした。

 でも、そこからですね。「こういうふうに考えているけど、お前はどう思う?」とか「状態をちゃんと言ってこい」などと、私の話を聞いてくれるようになりました。

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