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青山学院大学5選手らが海外レース初挑戦 世界トップ級との争いに「ついていけたのは数百メートル」も充実感が漂う (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Shunya Takano アディダス●取材協力

 そして、今後につながるレースであったと力を込める。

「きっと今回のレースでは(箱根駅伝を走る)留学生でも難しかったんじゃないかと思います。そういう意味でもトップレベルの選手たちと走れた経験は大きいです」

 今後は、年始の箱根駅伝とその先にある東京マラソン参加に向けて準備していき、将来的には、2028年ロス五輪でのマラソンとその次を狙う、と宣言した。

収穫を手にした太田蒼生。まずは箱根駅伝でのタイトル奪還を目指す収穫を手にした太田蒼生。まずは箱根駅伝でのタイトル奪還を目指すこの記事に関連する写真を見る

 日本人選手の最上位、14分13秒でフィニッシュしたのは2年生の黒田だ。黒田もレースのテーマはスピードと経験、だった。

「レース自体は、本当にハイスピードのレースになると思っていたので、とにかく行けるところまでついていくことと、今の自分にとって一番いい走りをすることを目標にしていました。あとは、本当にトップの選手がいるこのようなレースを経験できることが一番大きいのかなと思っていました」

 ただ黒田はレースの約1週間前に風邪をひいていた。

「もう本当にタイミングが悪かったというか......」と自分では如何ともしがたい状況での初の海外レース。3日前に現地入りしてからとにかく回復を目指し、なんとか体調を戻して臨んだ。想定していたとはいえ、圧倒されるレースになった。

「最初からハイスピードで、もうスピード的にはいっぱいいっぱいで......。ついていけたのも数百メートルぐらいでした」

 うなだれながらも、やはり楽しそうにレースを振り返る。

「自分のなかでは最低限やれたのかなって思います。でも、レースを終えてみて、やっぱりもうちょっとしっかりついていけるだけのスタミナ、スピードがほしいかなと思いますね」

 その感覚自体、大学のレースでは味わえなかったものだ。「このレベルでついていける距離と時間を少しでも伸ばすこと」と課題を語り、一歩ずつ進化することを誓った。

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