「日本のお家芸にしたい」。世界陸上で4位と男子のマイルリレーが健闘、より上位を目指せる選手たちが育っている

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFP/AFLO

 決勝は、予選第2組で7位だったボツワナ(東京五輪3位)が不利を受けたと訴え、救済で決勝に進出。9チームでレースが行なわれた。

 第1走者の佐藤は、「遠くに見えるアメリカやほかの国を意識した瞬間、力が入ってしまった」と、一度抜いたチェコに抜き返されて予選よりタイムを落として5位でつないだ。続く、川端も44秒台のラップタイムを狙っていたが、「みんながゴチャゴチャになるバックストレートで、どこに入るか悩んでしまっていいポジションが取れなかった」と、7位に下がった。しかし、最後の直線で、外側に斜行するボツワナに邪魔されながらも、うまい判断でウォルシュに6位でバトンをつないだ。

 そこからウォルシュの走りは神がかっていた。バックストレートでフランスを抜くとそのまま前を追い続け、ホームストレートに入ったところでトリニダート・トバコを抜いて、2位争いをするジャマイカとベルギーに迫った。ラップタイムは43秒91。個人種目の400mの時には「調子はいいし44秒台を出せる状態なのに、前半の走りがうまくいかない」と口にしていたが、その力が確かであることを証明した。

 3位のベルギーに0秒18差でバトンを受けた中島は、予選と同じように向かい風のバックストレートでは前の選手のすぐうしろにつけ、余裕を持って走ってラスト勝負にかけようとした。だが44秒68で走った中島に対し、ジャマイカは43秒98、ベルギーは44秒07と予想よりも早かった。ラスト200mを過ぎてから離され、結果4位でのゴールとなった。「自分の得意なところで離されてしまったのはすごく悔しい。あとひとつ僕が抜けばメダルだったが、目の前で目標が絶たれてしまった」と反省の弁を口にした。

 それでも記録は、日本記録を更新する3分突破の2分59秒51。メダルには0秒21届かなかったが、世界大会の4位入賞は04年アテネ五輪以来の快挙だった。

それでも「悔しい」という言葉が並んだ。

「(世界選手権で)19年ぶりに決勝に進出できたからいいやではなく、絶対にメダルを獲るとみんなで言って臨んだので......。目の前にあったからこそ、今回のレースを反省してパリ五輪とは言わず、来年の世界陸上で絶対に達成したい」(佐藤)

「日本新を狙っていたわけではなくて、本当にメダルだったので。日本新はもう当たり前というところで、喜びより悔しさのほうが大きい」(ウォルシュ)

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