2022.07.25

箱根駅伝で國學院大は旋風を起こせるか。課題は主力の平林清澄の走りと中間層のレベルアップ

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 千葉 格/アフロ

関東インカレ1万mでは6位という結果に終わった平林清澄関東インカレ1万mでは6位という結果に終わった平林清澄 この記事に関連する写真を見る
「うーん、勝ちきれないですね」

 平林清澄(國學院大・2年)は、悔しさを噛みしめていた。

 ホクレンディスタンス網走大会の1万m、平林は島﨑慎愛(4年)とともに出場。「28分台ひと桁、あわよくば27分台」を狙って、序盤から先頭に立ち、積極的にレースを引っ張った。攻めのレース展開を見せるのは1年生の時からだ。大学駅伝デビューとなった昨年の出雲駅伝では、襷をもらった時から前を追い続け、後半失速したが、その攻めの走りは多くのランナーや指導者に印象づけた。そして「攻めの平林」というスタイルを結果に結びつけたのが、今年の学生ハーフだった。終始、先頭グループに位置し、14キロ地点で仕掛けて前に出ると、そのままトップで駆け抜け、中西大翔(4年)とともにワンツーフィニッシュを実現した。

 網走の地でも、そのスタイルは変わらず、先頭集団の前でレースを展開した。だが、残り2周になった時、うしろについていた中野翔太(中大・3年)に抜かれ、28分12秒16の4位に終わった。

「中野さんに抜かれた時に力みが出て、そこから崩れてしまいました。ラストのスピードに加え、粘りきれないというのが大きく出てしまった感じです。......勝ちきれないですよね。それを求められているんですけど、そこがまだ足りない。学生ハーフで勝ちきれたところから一瞬、調子にのって、その後は自分のため、チームのためにという思いで走ってきたんですけど、勝ちきれない。それを駅伝まで、どう修正するのかが大きなポイントです」

 平林は、自分に言い聞かせるように、そう言った。

 今年、平林のレース展開は、かなり研究されている感がある。それは、平林自身も強く感じていると言う。

「関東インカレも岸本(大紀・青学大4年)さんに抜かれた時点で僕の走りをわかっているんだろうなって思いましたし、今回も中野さんがうしろについてきてラスト勝負だろうなっていうのはわかっていました。そこなんですよね。わかっているけど、勝てない。それにはラストのスピードが必要なんですけど、それって簡単に身につくようなものではないので......。でも、それをやらないと勝ちきれないので身につけたいし、そうしてどんなレースでも勝ちきれる選手になりたい。それができるのが田澤(廉・駒澤大4年)さん、三浦(龍司・順大3年)さんであり、強い選手の条件だと思っています」

 中大の中野が「平林君はロングスパートは得意だけど、ラストは自分に分があるので、うしろについていけばラストで勝てると思いました」とレース後、語ったように、平林のレース展開は完全に読まれていた。それでもラストで負けないスピードがあれば勝ちきれるが、関カレも今回もラストで負けた。「ラストの練習はしている」と平林は言うが、どこまで上げられるのか。27分台を出せる感覚とともに、ラストの粘りとスピードがつけば、駅伝の結果にもつながる。

「昨年、出雲(駅伝)では自分のところ(6区)で抜かれて4位だったので、まずはその悔しさを出雲で晴らしたいですね。そこでいい走りをして、いい流れにのって全日本、箱根での区間賞につなげていきたいです。箱根は、昨年は9区だったので、今年は上位選手と競える区間で走りたいですけど......チームでの役割があるんで、任された区間で結果を出していきたいです」

 万全の調子で箱根に臨められれば、往路の主要区間を任されるだろうが、そのためには出雲で借りを返し、スピードとともに勝ちきる強さが必要になる。駅伝はタイムではなく、勝ちきる強さが求められるからだ。だが、平林のこれまでの走りを見れば、いずれ課題をクリアしていくだろう。走り自体は好調で、着実に強さが増している。