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「暑さに弱い」「駅伝は強いけどトラックは...」ずっと悔しい思いをしてきた廣中璃梨佳は積極的な走りでそれらの声を封じた (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 陸上競技以外はおおざっぱで、こだわりも強くないという廣中。高橋昌彦監督は、「オフの日はショッピングなどにも出かけている。オンオフの切り替えがうまく、リフレッシュ法も自分で考えてうまくやっている」と評価する。

「2022年からパリ五輪までは2年続けて世界選手権があるので、大舞台を経験してもっと自分の可能性を広げたい。今回東京五輪で感じたのは、世界と対等に戦えるようになりたいということでした。5000mは14分40秒や30秒を目標にしていきながら、決勝でもしっかり戦えるようになること。そのためには1500mのようなスピード対応力や切り替えも必要になります。それをベースに5000mの自己記録も伸ばしたいし、それが1万mのスタミナ強化にもつながるので、距離を踏んで脚づくりをして、スピードを生かして30分台前半から29分台にいけるようにと段階的に上げていきたいと思います。

 これまでは駅伝のほうが好きという気持ちが強かったのですが、シニアの世界大会でも戦えるというのが少しずつわかってきたので、もっとトラックを極めて自分の走りを確立して上を目指したいと思うようになりました」

 そんな廣中が目指すのは、過去には97年世界選手権1万mで千葉真子が銅メダルを獲得した以来となる世界大会でのトラック長距離種目でのメダル獲得。彼女の眼には今、それしか映っていない。

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