箱根駅伝の勢力図を塗り替えることができるか。スピード化に対応&大物ルーキー登場で中央学院大に勢い (4ページ目)
ただ、このレースに合わせてきたのは走者8人と補欠の5人だけではない。チーム全員がこのレースに向けて気持ちを高め、調整してきたのだ。
「今回のレースに出ない選手は東海大の記録会に出て、チーム一丸となって、この日(6月19日)に合わせてやってきました」
主将の小島はチームの一体感を強調したが、その意識が今回の結果に結びついたのだろう。
また、新たに始めた強化が実を結んだことも大きい。
一昨年あたりから駅伝は高速化し、昨年の箱根駅伝予選会でもその傾向は顕著で、スピード強化に成功した大学が予選を突破していった。中央学院大は18年連続して箱根駅伝に出場していたが、予選会で12位に終わり、10位までに与えられる出場権を獲得できなかった。
「高速化についていけず、置いていかれてしまった」
栗原がそう語ったように、課題は明確だった。
「スピード不足が僕たちの課題だという話になって、そこからスピードに特化した練習をするようになったんです」
練習方法は、A B Cのチームに分かれ、それぞれ1キロの設定タイムが決められている。たとえばAチームは2分50秒の設定で、5本のインターバル走をこなしていたが、その設定タイムを各チーム5秒ずつ短縮した。
「最初はなかなかタイムに反映されなかったんですけど、新しいシーズン(4月)になってようやくその成果が出てきた感じです」
そう小島が語るように、個々の選手のスピードがアップし、結果に結びつくようになった。
4月の日体大記録会の10000mで栗原が28分03秒39で大学新を叩き出すと、武川は28分40秒48、坂田隼人(4年)が29分10秒98、伊藤が28分54秒30、飯塚達也(2年)が29分48秒98と、計5人の選手が自己ベストを更新した。
さらに関東インカレでは5000mでルーキーの吉田礼志が13分57秒83の自己ベストを更新して7位入賞を果たすと、川田は14分14秒16で17位。3000m障害(SC)では、吉田光が優勝し、上野航平(3年)が3位。10000mでは伊藤が28分52秒15の自己ベストで14位と好走した。
今回の全日本大学駅伝の選考会でも、小島と武川が猛烈なラストスパートを見せるなど、スピード強化の成果が結果となって表れた。
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