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箱根駅伝の勢力図を塗り替えることができるか。スピード化に対応&大物ルーキー登場で中央学院大に勢い (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by AFLO

「ラスト100mで『抜かすぞ、一緒にいこう』と武川に声をかけました。いつもならあきらめていたかもしれないですけど、今日はそういうわけにもいかないので、しっかりギアを上げて走ることができました」

 小島は満足そうな表情を見せた。

 箱根駅伝の予選会以降、右足の甲を痛め、今年4月に入るまで練習ができなかった。復帰後も1500m、5000m、10000mと3本のレースをこなしたが、調子が上がらなかった。今回のレースで走れるだろうかという不安を抱いた時期もあったが、2、3週間前からようやく本来の走りができるようになったという。

 小島と武川の頑張りで、チームは総合6位に浮上。再び出場権獲得圏内(上位7位)に入った。

 4組は栗原啓吾(4年)と吉田礼志(1年)が出走した。栗原はチームのエース格で、吉田礼志はルーキーだが春のトラックシーズンで結果を出すなど、監督からも絶大な信頼を寄せられている。

 栗原は総合順位が上がったことで、落ち着いてレースに入れた。

「2組目が終わった時は焦りというか、恐怖心がありました。でも3組目で出場圏内まで上げてくれましたし、監督からは『とにかく後半失速しないように、リスクは負わず、日本人トップ集団あたりでレースするように』と指示されていたので、それを守ろうと」

 留学生たちがとばすなか、栗原は指示どおり日本人トップ集団に入り、冷静なレース運びを見せた。そのうしろには吉田礼志がピタリとつき、最後まで離れることはなかった。栗原は9位、吉田礼志は10位ながら28分41秒60で自己ベストの走りを見せた。

 この結果、中央学院大は総合6位となり、9年連続で伊勢路を走ることが決まった。

 3組で走った武川、小島の好走が選考会突破の原動力になったことは間違いないが、各組でしっかりと順位を整えられたことが大きい。それに加え、3つのポイントが今回の結果に大きく影響しているように思える。

 まずは今回のレースを、上半期の最大の目標に掲げて取り組んできたことが大きい。「3位以内での予選突破」を目標に、記録会などでコンディションを上げ、この大会にピークを合わせてきた。

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