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男子短距離界の実力者・小池祐貴。東京五輪100mで日本人初の表彰台は「確実にかなえたい。夢じゃなく目標」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 東京五輪の100m参加標準記録を突破しているのは、小池に加え、サニブラウン・アブデル・ハキーム、桐生祥秀、山縣亮太、多田修平の5人。彼らはいずれも3位までに入れば、東京五輪出場が決定する。さらに、今回のレースで参加標準記録を破って3位以内に入ればケンブリッジ飛鳥をはじめ、ほかの選手にもチャンスがある。

 このなかで、桐生とは高校時代からライバルとしてしのぎを削ってきた。だが、小池にはライバルという印象はなく、「ボコボコにされました」と苦笑する。

「彼と競った記憶があるのは高校1年の国体ぐらいですね。あとは圧倒的に負けていました。当時はライバルとかではなく、先に行っている人という感覚でした。筋力とか足の長さとか、そういうものが飛び抜けているわけではないけど、とにかく速かった。

 彼は何かをわかっているんだろうなって、ずっと思っていました。その何かがわかれば、あれくらい速く走れるんだろうなって思わせてくれた。そういう意味では、いい指標というか、そのレベルに達するのは不可能じゃないんだと思わせてくれた選手です」

 桐生は高校3年の時に10秒01という日本歴代2位(当時)の記録を出した。ちなみに、その時の小池のベストは10秒38。わずか0秒37の差だが、100mの世界では相当な差である。

「もうカテゴリーが違うかなというぐらいの差で、まずは勝負できるぐらいに自分のレベルを上げないといけないと思っていました」

 早熟の桐生に対して、小池はコツコツと努力を積み重ねて記録を上げてきた。桐生は2017年に日本人初の9秒98を出したが、小池は2019年のロンドングランプリで同タイムを記録した。高校時代、小池にとって桐生ははるか先を行く存在だったが、今は追いつき、追い越すところまできている。

 先日、布勢スプリントで山縣が日本人4人目となる9秒台をマーク。しかも日本記録となる9秒95を出した。その山縣は大学時代の先輩にあたり、寮も同部屋だった。

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