神野大地が語る「箱根5区の攻略法」。
山の神はいかにして生まれるのか (3ページ目)
---- 「3代目・山の神」と呼ばれるのは、どういう気持ちでしたか。
「うれしかったですね。"山の神"と言われたのは、今井(正人/順天堂大)さん、柏原さんのふたりだけでしたし、僕を入れても3人じゃないですか。これが30人も40人もいたら、そう言われてもなぁと思いますけど(笑)。僕は走るからには、そう言われたいと思いましたし、山の神になりたいという欲があったので、それが叶ってうれしかったです」
---- 注目されることでプレッシャーに感じたことは?
「ありましたけど、トップレベルの選手になるためにそういう道をたどらないといけないですし、トップ選手になればなるほど、そういうプレッシャーは感じないといけないと思うんです。僕は、それを学生のうちに経験することができたので、それはプラスになりました。逆に周囲に注目されることで、もうひと踏ん張りできて、もうひとつ上のステージで努力できるようになりました。山の神と言われて、もっと頑張ろうと思えるキッカケになったので、マイナスに感じることはなかったです」
---- もし当初の予定どおり、2区を走っていたら?
「たぶん、『ただの神野大地』になっていたでしょうね(笑)。僕は5区で結果を出せたことで、今もプロランナーとしてモチベーションを高く維持して陸上をやれています。5区で結果を出せず、山の神と言われることがなかったら認知度もなく、プロになってスポンサーを見つけようと思ってもなかなか見つからなかったと思うんです。青学大時代の5区の結果が今の人生に大きくつながっているのは間違いないですね」
2017年の第93回大会から5区の距離は20.8キロと短くなり、区間記録は昨年の宮下隼人(東洋大)の70分25秒になっている。平地区間のスピードが上がり、高速駅伝になっているが、5区の重要性は距離が短縮されてもまったく変わらない。
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