青学大の箱根連覇は濃厚か。選手層は厚くカギとなるのは2区と5区

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

 箱根駅伝連覇を目指す青学大は、全日本大学駅伝では4位に終わったものの、今回も高い総合力を誇っている。それが顕著に現れていたのが、全日本大学駅伝の前日にあった国士舘大競技会10000mだ。

 当然、全日本を走ったメンバー8人は出場していない。それでも竹石尚人(4年)が28分50秒63でトップを飾ると、関口雄大(2年)、中倉啓敦(2年)、目片将大(2年)、高橋勇輝(3年)も28分台をマーク。さらに松葉慶太(4年)、飯田貴之(3年)、志貴勇斗(1年)、脇田幸太朗(2年)、横田俊吾(2年)、新号健志(4年)が29分05秒以内で走破したのだ。このうち関口、目片、志貴は箱根駅伝のエントリーに入ることができなかった。

 全日本も7区終了時で東海大に39秒差、駒澤大に41秒差をつけており、最終8区のエース吉田圭太(4年)が本来の走りをしていれば、そのまま逃げ切った可能性は高い。

原晋監督が絶大な信頼を寄せる4年の神林勇太(左)と吉田圭太(右)原晋監督が絶大な信頼を寄せる4年の神林勇太(左)と吉田圭太(右) 全日本は2区の近藤幸太郎(2年)が区間13位、6区の山内健登(1年)が区間9位と、青学大にしては珍しくミスが多かった。原晋監督は、「全日本は"凸凹駅伝"だったなという感じですね。いいところと悪いところがハッキリと出てしまった」と反省。さらに、「箱根駅伝は10区間。20区間あれば(選手層が厚い青学大が)勝てるんでしょうけど、そういうもんじゃありません。エースはエースの走りをしてもらいたい、というのが願いです」とも話していた。

 選手層に自信はあったが、全日本は1~7区までに2区間の失速があり、エース区間の戦いも完敗した。しかし、過去2度しか勝っていない全日本とは異なり、箱根は過去6年で5度の総合優勝。正月決戦へのピーキングは抜群だ。今回もキャラクターが異なる豊富な戦力を抱えており、適材適所のオーダーを組むことができる。

 ただ、エントリーの段階で、前回大会の2区を日本人1年生最高の1時間7分03秒(区間5位)で快走した岸本大紀(2年)が外れた。連覇を狙うには、2区の穴をどう埋めるかがポイントになる。

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