2020.12.27

東大出身ランナーも世界を目指す
GMO。実業団陸上の試行錯誤

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

知られざる実業団陸上の現実~駅伝&個人の闘い
GMOインターネットグループ(1)

 今年1月のニューイヤー駅伝で初出場ながら5位入賞を果たし、陸上ファンや関係者をアッと驚かせたGMOインターネットグループ(GMOアスリーツ)。チーム創立4年目にして駅伝参入を果たし、スカウティングでも箱根駅伝で活躍した選手を積極的に獲得。充実した環境のなか、選手がマラソンで結果を出すなど、実業団の新風になっている。はたして、どういうチームなのだろうか。

 チームが始動したのは、2016年4月。花田勝彦監督は2004年から上武大の駅伝部の監督し、第85回大会から8年連続してチームを箱根駅伝に導いた。箱根常連校のように上位タイムを持つ高校生を獲得することが難しい。それでも可能性ある選手を目利きし、育成して箱根駅伝出場を勝ち取ってきた。

今年1月のニューイヤー駅伝で初出場ながら5位入賞を飾ったGMO花田勝彦監督今年1月のニューイヤー駅伝で初出場ながら5位入賞を飾ったGMO花田勝彦監督 「世界を目指す選手を輩出する」という目標と、花田監督の育成力が合致し、満を持して誕生したチームといえる。

 だが、6名からのスタートで「最初は指導面で戸惑いがありました」と花田監督は語る。

「大学での指導経験を生かして、実業団の監督として新たなスタートを切りましたが、練習内容など、トップレベルの選手に合うものを考えるのに少し時間がかかりました」

 そう語るように、失敗の連続だった。

 たとえば橋本崚は、2016年12月の防府読売マラソンで初優勝。翌17年2月の東京マラソンでは、さらに記録が伸びそうだということでかなりレベルの高い練習を続けた。

「でも、それがオーバーワークになって結果が出ませんでした。私自身、練習内容に迷いがありましたし、選手も私の言うことを聞くべきなのか、自分の感覚を信じるべきなのか、迷っていました。今は選手にメニューを提案し、『僕はこうしたいです』『それもいいな』という感じで、一緒につくっていくパートナー的な関係になっています」

 今、在籍する選手は13名。一色恭志、下田裕太、森田歩希、林奎介ら箱根駅伝を沸かせた有力選手に加え、今年は2月の別府大分毎日マラソンで3位、12月の福岡国際マラソンで優勝を飾った吉田祐也が入社した。