設楽悠太が受け継ぐ「ホンダイズム」。狙うはニューイヤー駅伝初優勝 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 そして、伊藤には意識しているライバルがいる。

「相澤(晃/東洋大→旭化成)です。全日本大学駅伝でも、箱根でも負けていますし、学生長距離界のエースでしたからね。強い選手と走るのは楽しいです。でも、負けたくはないですね。絶好調の相澤とレースをして、今度は勝ちたい。

 同じチームでは土方がマラソンで結果を残していますから(3月の東京マラソンで2時間9分50秒とサブ10を達成)、マラソンでは先輩みたいなもの。いずれ土方にも挑戦して、しっかり勝ちたいと思っています」

 伊藤、土方、青木涼真の同期3人は普段から仲がよく、「チーム史上、最も仲のいい新人」と言われているという。伊藤は彼らとともに未来を背負って立つ選手になるわけだが、将来どういうランナーになりたいという理想像はあるのだろうか。

「第2の(設楽)悠太さんになりたい。いや、越えたいです。悠太さんは競技者としても人としても尊敬しています。いずれは自分がエースとしてチームを引っ張っていけたらと思っています」

 大学時代、努力して一歩ずつ階段を駆け上がり、学生トップランナーのひとりだった自負もあるのだろう。「エリートでなくても、世界で戦えるランナーになれる」ということを証明するためにも、伊藤の挑戦はこれからも続いていく。

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