神野大地が目指すは三歩先より半歩先。初の日本代表で「金を獲りたい」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 東京マラソンで2時間8分台を目指している神野にとっては、その試金石となるレースになる。なにより、日本代表として日の丸をつけている以上、結果が求められる。

「初めての日本代表ですが、今回は正直、ほかの選手はニューイヤー駅伝があるので、おこぼれみたいなところがあったと思います。それでもこの舞台に立てるのは、運もあったからですし、ある程度結果を残してきたからだと思っています。いまの僕の実力では、日の丸のユニフォームを着ることはそうないと思うので、このチャンスを無駄にしないように、しっかり結果を出したいですね」

 今回、神野は2019年東京マラソンで日本人4位という成績を評価され、日本代表に選出された。決しておこぼれではない。

過去、ベルリンマラソンをはじめ、福岡国際マラソン、東京マラソンなど、これまで6本のマラソンレースを経験している神野にとって、今回のレースはどういう位置づけになるのだろうか。

「自分に自信をつける、勝ちを知ることが、今回のレースの位置づけになります。今の僕は、マラソンランナーとしてやっていけるのかと思うことがあるんです。今まで、日本人トップも、優勝もないので......。ただ今回は、金メダルは目標ではなく、実際に届くと思っています。このレースに勝つことで、またひとつマラソンランナーとして成長できると思うんです。その先に、最大の目標である東京マラソンでの2時間8分台が見えてくる」

 準備は整いつつある。15キロのポイント練習では44分38秒のタイムを出し、余裕を持ってレース10日前の追い込み練習ができていた。

「これまで6回出たマラソンレースは、1キロを3分切るので精一杯でしたけど、今回はその3分に対して余裕があります」

 唯一、不安があるとすればMGC以降、長い距離の練習を4本しか入れてこなかったことだ。ゲストランナーとしてフルマラソンを走った以外では、30キロ走を1本と35キロ走を2本こなしただけだ。だが、「ジョグで長い距離をカバーできているかなって思います」と神野は語る。

「そういう練習でどんな結果がでるのか、すごく楽しみです」

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