6年ぶり復帰後、即日本記録更新。
なぜ寺田明日香は驚速で進化した? (3ページ目)
10年前の2009年、初出場を果たした世界陸上「高校を卒業して北海道ハイテクACに入った頃は、男子の仁井有介さんもいたし、女子も福島千里さんが速くなり始めた頃だったので、一緒に引っ張ってもらう練習もしていたんです。でも、だんだんとみんなが結果を出して、階段を上り始めると、それぞれにやりたい練習が出てきた時期でした。
話し合って(一緒に練習が)できればよかったけど、私も成績を出せなくなっていたし一番年下だから、一緒に練習をして引っ張って欲しいとお願いできなくなっていました」
それとともに、「自分はハードリングが下手だ」という気持ちが湧いてきた。「走るのが速くなっても、結局は足を引っ張るのはハードル」という思いが強くなった。
「ハードルを跳ぶ瞬間に止まっているような感覚が出てきて、それを何とかしなければこれ以上は伸びないと思うようになったんです。でも中村宏之先生は『速く走ってハードルがきたら越えろ』というタイプだったので、まずは走力。
それで、中村先生との関係があまりうまくいかなくなった時に、いろんな先生から『ハードルをもっと(ちゃんと)やったらいけるのに』と言われると、『そうかな?』と思ってしまって。今になれば中村先生が言っていたことがよくわかるし、ハードルはハードルで別問題だとわかるようになりましたが、まだ若かったんですね」
3 / 4