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エチオピアで一流ランナーと練習。
神野大地が意識改革した25日間 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 ペース設定は、たとえば1000mのインターバル走でケニアでは1分程度のリカバリーだった。エチオピアでも最初は1分30秒で設定していたという。

「それじゃとてもスタートできる状態じゃなかったですね。もう1回、レースペースに近い状態で走るためには、リカバリーをおろそかにできないんです。疲れて練習にならなくなってしまうんですよ。だからセットに分けて、セット間は長めにリカバリーを取るなど工夫しました。

 しかも、ケニアもエチオピアもリカバリーをジョグでつなぐとかしないんです。歩いて休むんですよ(笑)。で、もう1回トップスピードで走れるようにします。リカバリーでジョグしてしまうと、たとえば10本やろうとしていたのがきつくて7、8本で終わってしまうんで、インターバル走の質を保てるようにリカバリーをしっかり取っていました」

 練習は、ゼーンが故障明けで神野と同じ質の内容だったので、一緒に走ることが多かったという。また、徒歩1分ぐらいのところにモハメド・ファラーがロンドンマラソンのために合宿をしていたので、練習に参加した。

 朝練習は20キロのジョグだったが、3分40秒ペースで走り、神野曰く「ジョグという名の距離走」だったと言う。ロンドン五輪(2012年)、リオ五輪(2016年)の5000m、1万mの二冠王者の練習は刺激的だったが、神野の関心のひとつは、なぜファラーがエチオピアを合宿地に選んだのかということだった。

「ファラーが言うには、ケニアは(標高)2300mだけどエチオピアは2700mなのでその標高で走れる場所はここしかないというのがまず理由のひとつ。ケニアはアップダウンが多いけど、エチオピアはフラットなコースが多いんで、練習の質を上げられる。あと、エチオピアはランナーが少ないので練習に集中できると言っていました。ケニアはランナーだらけなんで、そこにいるとたくさんの人が集まってきて、練習に集中できないみたいですね」

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