2019.05.17

東海大の箱根連覇の切り札となるか。
鈴木雄太がハーフに狙いを絞るわけ

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

東海大・駅伝戦記 第50回

 仙台国際ハーフマラソン、10キロ地点――。モニターには大きな集団の先頭を走る鈴木雄太(東海大3年)の姿が映し出されていた。トップ争いをする外国人選手や村山謙太(旭化成)、佐藤悠基(日清食品グループ)には届かないが、このままいけば学生トップを狙える位置にいた。

 だがこの時、鈴木は自ら集団を引っ張るというよりは、むしろ後続の選手に前に押し出され、うまく利用されていたのだ。結果、レースは鈴木にとって厳しいものになってしまった。

箱根での出走を目指し、ハーフマラソンで経験を積んでいる鈴木雄太 鈴木はこのレースで63分台、もしくは64分台前半を狙っていた。そのためにGW中も合宿で走り込みを行ない、調子はよかった。レース前は自分自身、大きな期待感があったと言う。

「このレースをメインに調整してきたんですが、調子がよくて、結構いいところにいけるんじゃないかなって思っていたんです。実際、レースの4日前に刺激を入れた時までは、動きがすごくよかったんです。でも、レース当日の朝は体がちょっと重い感じになって……調整がうまくいかなかったですね」

 鈴木は、東海大OBの佐藤やプロランナーの川内優輝ら名のある選手が走る今回のレースで、目標タイムのクリアと学生トップを目指して出走した。序盤から川内や学生を含む大きな集団の先頭に立っており、15キロ手前までは体が動いていたと言う。

「前で引っ張ったというより、ずっと引っ張られていて、それでもひとりで練習してきたので、全然大丈夫という自信があったんです。でも、16キロの登り坂でみんなが出ていった時に対応できなくて……それがほんと悔しかったです」

 タイムは64分48秒(22位)で、想定タイムよりも40秒以上も遅く、レース後は疲れきった表情を見せた。着替えをしながらも「風がめっちゃ強かった」「みんなに使われた」と、レースでの悔いが口からこぼれてくる。

 帯同した小池翔太コーチからは「学生トップはいけたよな」と言われ、肩を大きく落としていた。それでも狙ったレースへの調整の難しさや、集団の前に出て走ったことはいい経験になった。