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東海大の箱根連覇の切り札となるか。
鈴木雄太がハーフに狙いを絞るわけ (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

「今までの練習からしたら今日の結果は物足りないですけど、後半はガクッと大きく落ちることがなかった。そこは収穫かなと思っています」

 鈴木はそう言って、少し笑顔を見せた。

 今シーズン、鈴木はハーフに絞ってレースに参戦している。2月3日の神奈川ハーフ、3月10日の学生ハーフ、4月7日の日本平桜マラソン、4月14日の焼津みなとマラソン、そして今回、5月12日の仙台国際ハーフ。

 このうち焼津のレース(ハーフ大学生の部)では64分40秒で優勝している。ハーフに絞る狙いは、いったい何なのだろうか。

「今年は自分たちの上の代(4年)がすごく強いので、自分は関カレ(関東インカレ)をはじめ、出雲や全日本を狙うんじゃなく、箱根に出て勝つことを一番に考えていました。そのためにはいろいろな種目に手を出すよりもハーフに絞った方がいいなかと思って、両角(速)先生に『ハーフ1本でやりたいと思っています』と相談したんです。先生からも『その方がいい』と言われたので、今年はハーフに絞って箱根を狙うことにしました」

 春のシーズンから長距離に絞って練習し、駅伝に備えるアプローチの仕方は昨年の湯澤舜(現SGホールディングス)と同じだ。長距離に絞って練習に取り組み、足をつくった。故障もなく、好調を維持した湯澤は、出雲駅伝、全日本大学駅伝はともにアンカーを走り、箱根では2区を任され、68分05秒の快走を見せ、初優勝に貢献した。

 その湯澤のやり方を、鈴木は踏襲している。

「じつは昨年、湯澤さんと1年間、一緒にジョグをさせてもらったんです。湯澤さんはもちろんすごく才能がある方ですが、一緒に練習してきたので、このくらいやればタイムが上がり、強くなれるというのがわかりました。実際、湯澤さんは箱根2区を68分台で走ったことでそれを証明してくれました。両角先生からも『湯澤のやり方で』って言われているので、それでやっていこうと決めたんです」

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