「マラソンに向いていないのかなぁ」神野大地が苦しい胸の内を吐露 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sportiva

 前から腹痛の要因のひとつとしてメンタルが指摘されていたが、中野は医学的な検査がすべて終わるまで、そのことに触れなかった。今、様々な検査を終え、疾患的な要素がみつからない中、その部分に踏み込む時期に来ているのかもしれない。一方、腹痛発症の原因がまだ分からない中、現状ではそれを防ぐ術がない。腹痛を起こるものとして考えた時、走っている最中に軽減させることは可能なのだろうか。その術を神野に聞いた。

―― 神野選手の中には腹痛が起こった時の対処方法はあるのですか。

「今までは、いかに起きないようにするのかということだったので、起きた時に何をするのかというのは、まだないですね。今は腹痛が起きないことを祈っても起こるので、起きたらしょうがない、起きなかったらラッキーぐらいの図太いメンタルに変えていく必要があるかなと思います」

―― いろんなアスリートなどからも対処法を聞いたりしていますか?

「今回、試したことも僕と同じ症状を経験している選手から聞いて試したんです。でも、やっぱりこれという確固たるものがなく、ある年齢を超えた時に急によくなったとか、共通したものがないんです。だから、これよさそうだなって思ったものを試してやっていくしかないのかなと思っています。これを乗り越えたら何か新しい風景が見えてくると思うので、やり続けるしかないですね」

 神野が最後まで思うように走れない原因は、腹痛だけだ。いろんな痛みや問題を抱えているアスリートがいる中、原因が見えているのは、「まだ幸せな方だ」と中野は言う。ただ、腹痛のために今後のスケジュールを変更せざるを得なくなったのは事実である。福岡国際でMGC出場権を獲れば、あとはMGC本番まで練習日程を組めたが、もう一度、獲得のために東京マラソンを走らないといけなくなった。

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