2018.01.30

次世代みずき登場。女子マラソン期待の
松田瑞生は「ノリで走るタイプ」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 昨季は日本選手権の1万mで鈴木亜由子(日本郵政グループ)を破って優勝し、ロンドン世界選手権にも出場。結果は19位だったが、それでも優勝したアルマズ・アヤナ(エチオピア)の3600mからの仕掛けにも対応する積極的な走りを見せていた。

 実はマラソンへの挑戦は、その1万mに臨むよりも前に決めていたことだったという。

「本当は本人が去年の大阪でマラソンを走りたいと言ってきたのですが、その時は1万mで世界選手権を狙おうと断念させたんです。でも世界選手権の結果がどうであろうと、僕も本人もその時から次はマラソンだと考えていました」と林監督。

「入ってきた当初はマラソン向きだとは思えず、靴を作ってもらっている三村仁司さんに『こいつはマラソンだからな、絶対に走るわ』と言われても本当にそうなのかなと思っていたんです。でも、マラソン練習をやらせたら『本当だ。素質がある』と思いましたね。マラソンというのは35kmからどう動けるか。5000mや1万mが強くても35kmから動けない選手が多いんです。

 でも彼女はそこから動かせる練習ができた。僕のマラソン練習ではどんな距離でもラストを上げることを意識させるので、40km走の時でも37.5kmからペースアップと言うと、一番よかった時で1km3分10秒ペースにまで上げられました」

 マラソン向きと見抜いていた三村さん曰く「足のバランスが取れていて、ケガをしにくいから練習を積むことができる。また、弱点を指摘すると素直に取り組む姿勢や、うまくやる気さえ起こさせれば、とことんやる性格」に素質を感じたという。

 ダイハツからはこれまで、2013年世界選手権4位で14年ロンドン五輪代表になった木崎良子や、15年の名古屋を大会新の2時間22分48秒で走って世界選手権代表になった前田彩里、2時間24分28秒で走った中里麗美などのマラソンランナーが輩出している。その経験則からみても、松田は高い可能性を持っていると林監督は期待する。

「トラックの記録だけをみれば木崎の方が上ですが、彼女は記録会で出した記録で松田は日本選手権で出した記録。そこで優勝もしているし、他の大会でも結果を残しているので、トラックのスピードという面ではかなり高いところまで作り上げてマラソンに移行できている。だから17分00~10秒のペースだと、かなり余裕を持ちながらレースができるんじゃないかと思います。