東海大の苦い教訓。箱根駅伝は「ミスすれば負ける」サバイバル戦に (7ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun  photo by Kyodo News

 両角監督は、全日本を勝つために塩澤稀夕(きせき/1年)を2区に起用するという勝負に出た。彼の前後を固める選手の力が計算できたからこその賭けだったが、結局はトータルの勝負で負けてしまった。

 駅伝とは、そういうものなのだ。

 今回、東海大、青学大の2強の間に神奈川大が入ってきた。両角監督は箱根駅伝を迎えるにあたって、神奈川大以外にも前半区間で健闘した東洋大、駒澤大ら駅伝強豪校を警戒する。

「次は箱根になるわけですが、本当にどこが勝ってもおかしくない状況になってきました。箱根では少しでもミスすると負けてしまうでしょう。神奈川大の鈴木くんのようなエースがいるチームは心強いだろうし、非常に強敵ですね」

 両角監督は厳しい表情でそう言った。

 大学駅伝界は、新しい戦国時代に突入した。箱根はひとつのミスも許されない極めてシリアスな戦いになっていくだろう。

 そして、チームでは箱根に向けて、また熾烈なレギュラー争いが始まった。

(つづく)

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