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東海大の駅伝を支える「スーパー2年生」に
新たなスター候補が現れた (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun photo by Nikkansports/AFLO

 3位という好結果とは裏腹に出てくるのは反省の弁ばかり。だが、今シーズンの充実ぶりに、"強い選手になったなぁ"という印象を受けた。

 6月の個人学生選手権では5000mで優勝し、最後まで自分が引っ張るなか、ラストの勝負でしっかり勝つというこれまでにない勝ち方に手応えを感じた。

 7月のホクレン網走大会では3000mSC(障害)に出場して8分37秒で1位。東海大記録を更新して両角監督を「いい走りだった」とうならせた。

 昨年は夏合宿で故障し、駅伝を走れず、悔しい思いをしたが、今年は夏合宿を順調に消化し、アメリカ高地合宿にも参加した。充実の夏を過ごしたが、そこには阪口の確固たる強い想いがあった。

「駅伝を走るということです。そのためには、まず日本インカレで結果を出さないと駅伝シーズンは勝負できないと思っていたので、夏合宿からこの大会で優勝するのを目標にしていました。日記にも『日本インカレまで、あと何日』と毎日カウントダウンして、気持ちを高ぶらせていくことで、うまくピーキングが合ったと思います。今までここまで強い想いを持ったことはなかったですが、勝負できて結果も出たので、少しは自信になりました」

 阪口にとって自信になったのは、順位だけではなかった。

 このレースには館澤、鬼塚という、同じ2年生ながら強力なライバルが出場していた。「一番は鬼塚に勝ったこと」と阪口は笑顔を見せたが、同学年をリードする鬼塚を上回ったことは自信をより大きく膨らませることになったはずだ。そして、そのいい走りを実現できたのはライバルの走りが影響していたという。

「松尾の走りは今回、すごく勇気になりました。前日、1万mを応援していたんですが、28分50秒の自己ベストで日本人3位、全体で5位という結果を出したじゃないですか。松尾は一緒に夏合宿をこなしてきた仲間ですし、練習もほぼ同じだったんです。あいつが走れたなら自分もいけるって、そういう思いが芽生えたんで、ホント、力になりましたね」

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