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200mの飯塚翔太が、
東京五輪100m代表&9秒台争いにも急浮上 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 その勢いは決勝でも衰えなかった。注目のケンブリッジは6レーンで飯塚は4レーン。間の5レーンには第1レースで10秒17を出した藤光謙司(ゼンリン)がいたが、スタートは第1レースと同じようにスムーズだった。そのままリードを奪うと「4歩目で思い切り躓(つまず)いてしまいました。そこでブレーキがかかったのがもったいなかった」というケンブリッジンの追い上げを抑えて10秒08でゴール。追い風は+1.9と絶妙な条件。飯塚は日本歴代7位の10秒08で優勝し、10秒12のケンブリッジが2位に入るくレースとなった。

「2レースとも公認の条件でラッキーでしたが、このスピードを体感できたというのが今回の一番の収穫です。それに力むことなく、勝ちきれたというのはよかったですね。このあとは(世界選手権まで)100mを予定していないし、日本選手権も200mだけなので、このイメージをちょっと残しながら200mの前半を走れれば、自己記録(20秒11)付近は出ると思います」

 飯塚は、ゴールデングランプリ出場後、疲労を抜くために練習量を落としたことで体調が上がり、この日は自己ベストを出す自信はあったという。10秒1台が出れば100点満点だと思っていたと振り返った。

「200mだと、距離が長いからと心の弱さが出てしまうけど、今日の100mはラストで失速する感覚もなかったし、出し切った感じもありつつ、まだ余裕を感じました。こういう走りをどこでも出せるようになればうれしいし、200mの前半でやれればトップスピードも上がって後半の減速を抑えることにもつながると思うので、それを日本選手権でできればと思います」

 大学1年だった2010年には、世界ジュニアで優勝して"和製ボルト"とも称された飯塚。その後は12年ロンドン五輪と13年モスクワ世界選手権に200mで出場して、4×100mリレーの主力選手にもなった。

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