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200mの飯塚翔太が、
東京五輪100m代表&9秒台争いにも急浮上 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 昨年は持ち味である後半の強さをさらに生かそうと、前半の走りをコンパクトにする取り組みをしてみた。その成果は、日本選手権で出した日本歴代2位の20秒11となって表れたが、リオデジャネイロ五輪では走りを考え過ぎてしまい、予選敗退という結果に終わってしまった。そのため、今季は前半をもっと大きく走り、世界のレースでも前半で置いていかれないようにすることを目標にしている。

「前半を少し抑えると、最後まで上がりきらずに終わってしまうことが多かったので、その殻を破りたい。身長も185cmあるから、しっかり大きく走らなければもったいないとも思う。それで今年はスタートも、これまでのように下半身から始動するのではなく、肩の辺りをうまく反応させて動きだす形に変えたことで、重心移動がうまくいき、3~4歩目までの感覚もよくなっています。60mまでのトップスピードを上げることで、前半の100mをこれまでの10秒4前半から10秒2台にしていけば、19秒台も見えてくると思うので。コーナーをグーッと勢いをつけて出られるようになれば、あとは後半の持ち味を生かせると思います」

 今の目標は200mで日本人最初の19秒台を出し、この種目をアピールすることだという。一方で、心の中には「200mが目立たないから悔しいというわけではないですが、100mも自分をアピールできる最高の舞台」という思いもある。

「今回ケンブリッジに勝ったことはうれしかったし、100mもいけるなということを世界の人に知ってもらいたいなとも思いますね。100mと200mを両方できるようになれば、200mもまた新鮮な気持ちで走れるようになると思うので。それに、100mというのはスプリンターなら誰でもやりたい種目ですし、その代表になるというのも目標でもあります。東京五輪も、出られるなら100mにも出てみたいです」

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