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4×100m銀メダル。偉業の裏には
積み上げてきた挑戦の歴史がある (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 予選から決勝の間にも、プレッシャーを感じることなく「メダルを獲ろう」と口にしていた4人。彼らがそんな自信を持てたのは、桐生が「信頼関係が構築されて、バトン練習でもミスったのは0回。その強みはありました」という、バトン技術と仲間への強い信頼感だった。

 苅部部長は「走力を考えればトップの国は9秒台の選手ばかりで太刀打ちはできないですが、日本人には技術があってバトンパスワークは世界一だと思います。スピードが落ちないバトンパスは日本のお家芸のようになってきました。15年やっている日本のアンダーハンドパスが、世界でも認められてきているのかなと思います」という。

 だが銀メダルを獲った以上、これからの目標は金メダルになる。そのためにはバトンパスをさらに磨くとともに、個人の走力を上げていくことも絶対条件だ。4人は「20年東京五輪へ向けて何が課題になるか」という質問には口を揃えて、「必要なのは個人の走力の向上。4年後までには全員が9秒台や19秒台を出した立場で臨みたい」と話す。

 これまでの選手たちが続けてきた挑戦の積み重ねが土台になり、次の世代の選手たちの意識や走力を高いレベルへと押し上げてきた成果が、今回の銀メダル獲得だった。だからこそ4人は次の東京五輪へ向けて、今度は自分たちがさらなる歴史を作る番だと意識する。

 リオの銀メダル獲得は、4年後の東京五輪へ向けてのスタート地点にもなった。

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