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【箱根駅伝】優勝宣言の駒大。主力3人はどこに配置? (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 長田洋平/アフロスポーツ●写真

 メンバーを見れば、そうなる可能性は高い。カギを握るのは、エースの村山をどこへ使うかだ。「やっぱり1区が重要」という大八木監督は昨シーズン、卒業した窪田忍を含む三枚看板のうち、中村を出雲、全日本、箱根でいずれも1区に配した。

 今年の全日本では、確実に流れを作って4連覇を果たすために村山を1区に使い、エース区間の2区の中谷で独走態勢を作り、そのまま逃げきるというレースをした。

 その村山の1区起用の有無が他大学に疑心暗鬼を呼んでいる。もし村山が1区に起用され、同じ1区に来るだろう弟の村山紘太(城西大4年)と引っ張り合うような形になれば、そこでライバル校は大きな差をつけられ、2区中村でさらに突き放されて先行逃げきりパターンに持ち込まれる可能性が高くなるからだ。

 だがそれが確実に実現するのは、村山兄弟がともに絶好調で、特に謙太が1時間01分06秒の区間記録に迫れるまでの状態にある時だろう。もし村山謙太がそこまでの状態でないか、あるいは確実にタイム差を計算したいなら、前回、終盤に脚に痙攣を起こしながらも区間2位で走った2区に置いて1時間06分台中盤を狙わせて、早大や東洋大、青学大に1分~1分半の差をつけることを選ぶだろう。

 その場合、村山起用を想定したライバル校が主力選手をぶつけてくるであろう1区には、中村か中谷を起用することになりそうだ。中村は、調子が良ければどのような展開でも対応でき、確実なスパート力で数十秒差をつけたトップでつなぐことができる。そして2区の村山がその差を2分くらいに広げる、という展開を狙うはずだ。あるいは中谷を1区に起用して、そこそこの差でつないだうえ、2区の村山、3区の中村で貯金を作る、ということも考えられる。

 どの監督も「そこで順位を上げて勢いをつけてくるか、落としてくるかで5区の走りも違ってくる」と重要視する4区は、順当なら中谷とならぶ2年の主力である西山雄介だろう。ただし西山を復路に温存したいと考えれば、スタミナ面も克服してきているスピードランナーの大谷や、5000m14分01秒63を持つ高本真樹(1年)を起用することもあり得る。そんな布陣を組むようなら、今回の駒大はかなり余裕があるということになる。

 注目は村山の状態と彼を含めた主力3人の区間配置。そして3区までにライバル校をどこまで突き放せるか、になる。 

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