上地結衣、強化した秘策が成功。
緻密な作戦も功を奏し全豪OPを制す

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 植原義晴●写真 photo by Uehara Yoshiharu

 全豪オープンテニス車いすの部は2日、女子シングルス決勝が行なわれ、第2シードの上地結衣(三井住友銀行)がアニク・ファンクート(オランダ)を6-2、6-2で下し、3年ぶり2度目の優勝を果たした。上地はダブルスでも頂点に立っており、全豪では初の単複二冠の快挙を成し遂げた。

全豪で単複優勝と、2020年最高のスタートを切った上地結衣全豪で単複優勝と、2020年最高のスタートを切った上地結衣 降雨による順延で1日遅れとなった決勝戦。相手のファンクートは2013年の全豪勝者で、昨年のウインブルドンを制している強敵だ。フォアハンドから強烈なショットを繰り出すファンクートに対し、上地は相手のバック側を突くラリーに持ち込み、主導権を握る。第1セットを1-2から巻き返して奪った上地は、続く第2セットも4-0とリード。ブレークを許しても、すぐさまブレークバックする高い集中力を発揮し、最後はラブゲームで締める完勝ぶりだった。

 毎年、オーストラリアの遠征を皮切りに、世界転戦をスタートする上地。今季初戦のスーパーシリーズのツイーズヘッズ、続くメルボルンオープンで優勝したものの、「ツイーズヘッズはテニスの感触もコンディショニングもよくなかった」と、波があったことを明かす。

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