ゴールボールの若きエース金子和也。
様々な思いを込め一球入魂を誓う (3ページ目)
2016年の夏には初めて日本代表に抜擢され、スウェーデンでの国際大会に臨んだ。出場機会はそれほど多くはなかったが、得点も決め、勝利に貢献する活躍を見せた。何よりも収穫だったのは、「世界」を直に意識でき、目指すべき舞台が明確になったこと。競技に向き合う姿勢や意識がガラッと変わり、帰国後は自然に練習量が増え、質も上がったという。
ここから腕振りぬいて強くて速いボールを投じる 2018年はさらに飛躍の年になった。2020年が近づくにつれ、日本の選手層は厚くなり、補欠も含めわずか6人という代表枠争いも激化するなか、6月には世界選手権(スウェーデン)、10月にはアジア選手権(ジャカルタ)の代表にあいついで選ばれた。チームはそれぞれ9位、4位と悔しい結果に終わったが、ハイレベルな国際大会の経験からつかんだ手ごたえと課題は貴重だ。
1年後の大舞台に向けて、今年前半はフィジカル強化期間と位置づけた。持ち味の俊敏性は損なわないよう筋肉増強ではなく、体幹の強化と柔軟性のあるしなやかな体づくりに取り組む。4月からは新たに、関節可動域を広げてパワーや瞬発力などを向上させるトレーニングも取り入れた。
すでに成果は出始めていて、5月中旬に行なわれたフィジカルテストでは、昨年末に時速61キロだった投球時の球速が65キロまでアップした。強化指定選手中、最速記録だった。
3 / 4