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田中愛美の課題はグラグラの精神面。
強気の先に東京パラが繋がっている (5ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 すでに東京2020パラリンピックの開催まで2年を切っている。

「もちろんメダルは獲りたいと思っています」

 こう語る田中は、ジャカルタでのインドネシア2018アジアパラ競技大会で、ダブルスで銀メダルを獲得したものの、シングルスでは第2シードが付いていたにもかかわらず初戦で敗れた。その悔しさが残ったため、2020年への思いは余計に強まっている。

 田中には、持論がある。健常者のオリンピックの位置づけと、車いすテニス選手のパラリンピックの位置づけは全然違う。健常者のテニスでは、グランドスラムが最高峰という考え方が多いが、車いすテニスでは、パラリンピックこそ最高峰だと考えている。

「グランドスラムも出たいし、そこは目指しますけど、私はグランドスラムよりパラの方が大事。どちらかというと、パラのためにグランドスラムは出たい」

 だが、パラリンピックでメダルを獲るには、グランドスラムでトップ選手に勝っていくしかないと岩野コーチは指摘する。

 2019年シーズンに、まず戦うステージをもう一段上げて、グランドスラムで常に戦えるようにし、さらに世界の強豪選手と戦う機会を増やし、勝っていかなければならない。それには、もちろんテニスのクオリティーを上げていく必要がある。

「グランドスラムを目指して、ランキングを上げていきたい。1回でも、グランドスラムに出ているメンバーから勝ちを取ることですね」

 いよいよ世界のトップレベルに身を置いて、常に激しい競争を繰り広げていくなかで、田中は果たしてどんな活躍を見せるのだろうか。22歳の彼女の双眸(そうぼう)は、世界の高みをしっかりと捉えている。

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