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強豪を撃破! 車いすバスケ日本代表に
待望の若手世代が台頭してきた (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 植原義晴●写真 photo by Uehara Yoshiharu

 古澤は個人的にも、この1年で大きな成長を遂げたと自負する。視野は広がり、状況に合わせてパスやゲームコントロール、相手を崩す動きに徹することもできるようになった。

「いまはチームが勝つことしか考えていません。ショットの確率がよければ打つし、ポイントガードとしての役割も全うする。それが僕の仕事なので」

 実戦での修正力の高さも見せた。予選2戦目のオーストラリア戦では、得意とするスリーポイントシュートが、リングに嫌われてしまった。ポイントも2得点のみ。だが、感覚は悪くなく、「本当に誤差の範囲」と確認すると、同日夜の行なわれた決勝進出をかけたカナダ戦では、2本のスリーポイントシュートを含め、チーム最多となる12得点をマークした。

 特に1点を追う第3クォーター終盤に決めた逆転のスリーポイントシュートは、試合の流れを大きく引き寄せる、まさに勝利に貢献する会心の1本だった。

 古澤とジュニア時代から対戦し、U23世界選手権でも戦ったオーストラリアのトム・オーネイルソーンは「タクヤは速くていいシュートを打つ素晴らしい選手」と称え、「シニアに入った去年はレオ(藤本)やヒロ(香西)によくパスをしていたけれど、今は自分でボールをキープして試合を組み立てている。僕たちにとって気をつけなければいけない相手だ」と、警戒する。

 古澤もまた、オーネイルソーンに刺激を受けている。すでに強豪オーストラリアの"エース"としてチームを牽引しているライバルに闘争心が沸き上がる。

「このカナダ戦の出来を自分の基準にしたい。毎試合、それを同じようにできる選手でないと自分がこの場にいる意味がない」

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