2018.06.17

強豪を撃破! 車いすバスケ日本代表に
待望の若手世代が台頭してきた

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 植原義晴●写真 photo by Uehara Yoshiharu

 車いすバスケットボールの国際大会「三菱電機WORLD CHALLENGE CUP 2018」が、6月8日から3日間にわたって開催された。男子日本代表の強化などを目的として昨年から始まり、2回目の今年は2020年東京パラリンピックの車いすバスケットボール会場のひとつとなる武蔵野の森総合スポーツプラザを会場に、大勢の観客が声援を送った。

若手世代の中心となるべく、成長した姿を見せた古澤拓也 日本代表(2016年リオパラリンピック9位)のほか、オーストラリア(同6位)、ドイツ(同8位)、カナダ(同11位)が参加。総当たりの予選を全勝で勝ち上がった日本が、決勝でオーストラリアを下し、初優勝を飾った。

 オーストラリアは、昨年の同大会の優勝国で2014年世界選手権の覇者。ドイツは、今年8月に行なわれる世界選手権ホスト国として成長著しい。カナダでは、パラリンピックで3つの金メダルを獲得する黄金期を支えた”世界最高の選手”パトリック・アンダーソンが2020年に向けて現役復帰した。いずれも高さとサイズを武器にスリーポイントラインの中でバスケを展開する強豪だ。

 そんな格上のチームに、日本代表はトランジションの速さとクイックネスを増した守備力で勝利した。専門のフィジカルトレーナーを招集し、トランジションバスケに欠かせない40分間走り切る身体づくりに加え、またメンタルトレーニングなど、トータルに強化してきた。これまでは、Wエースの香西宏昭(ドイツ・ランディル/NO EXCUSE)と藤本怜央(宮城MAX)の得点力に頼っていた部分があったが、今回は12人全員が出場し、それぞれの役割を果たしたことも大きい。

 及川晋平ヘッドコーチ(以下、HC)は、「公式試合で彼ら(オーストラリア)に勝つなんて。信じられない気持ち」と率直な感想を口にする。「本当の実力は世界選手権で試される」としながらも、日本独自の戦略が結果につながったことに、手ごたえを感じていた。