パラスノーボード成田緑夢。
リスクを恐れず、攻め続けて金メダル (3ページ目)
パラスノーボードの選手に転向した後は、パラリンピックを目指してきた。ウエアをカットし、義足をむき出しで滑るのは、「義足でもスノーボードやスポーツができることを伝えるため」と小栗は話す。今大会は2種目とも表彰台には届かなかったが、悔しさの向こうに清々しさも見えた。
「パラリンピックの雰囲気を味わえたことは大きな収穫。次はまた、新しいチャレンジをしたい」
小栗と同じ男子LL1の山本篤(新日本住設)は、スノーボードクロスで12位だった。この日のバンクドスラロームは1本目のバンクで転倒して失格。2本目も後傾したままバランスを崩し、バンクに突っ込み転倒、3本目は棄権した。日本パラリンピック委員会によると、山本は2本目の転倒の際に左肩を脱臼したものの整復し、骨折はしていないとのこと。
山本は夏のパラリンピックでは、北京、リオの2大会で陸上・走幅跳の銀メダリストだ。今回はIPC(国際パラリンピック委員会)の招待枠で、陸上の一方で続けていたパラスノーボードの代表に選ばれた。走幅跳のライバルで、リオで銅メダルを獲得し、昨年7月のパラ陸上世界選手権で山本の3連覇を阻んだダニエル・ワグナーも今回のパラスノーボードにデンマーク代表として出場し、夏のメダリストの"雪上対決"にも注目が集まっていた。ワグナーはスノーボードクロスで8位、バンクドスラロームで9位だった。
それぞれが決意を持って臨んだ平昌パラリンピックで、結果は三者三様となった。今後は、4年後の北京パラリンピックまで待たずとも、今大会で知名度が上がったパラスノーボードに注目していきたい。
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