2018.03.16

平昌パラで毅然と裁く、
パラアイスホッケーの日本人レフェリー

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Photo Service One/Uehara Yoshiharu

 熱戦が繰り広げられている平昌パラリンピック。日本代表も出場しているパラアイスホッケーの会場・江陵ホッケーセンターで、「もう1人の日本人」がパラリンピックの舞台を初めて踏んだ。

 レフェリー(主審)の山口壮太郎さんだ。

初めてのパラリンピックの舞台でレフェリーを務めた山口壮太郎さん 最初の試合となったのが、競技2日目のカナダ対イタリアのカード。結果は優勝候補のカナダが10-0でイタリアを退けるワンサイドゲームとなったのだが、終盤になってもカナダ選手の鼻息は荒く、第3ピリオドでイタリア選手に頭部および首への危険なチェックをして試合が中断。レフェリーの山口さんは、毅然とした態度でカナダ選手にマイナーペナルティ(2分)+ミスコンダクトペナルティ(10分)をジャッジし、試合をコントロールした。1次リーグでは他にイタリア対スウェーデン戦、ノルウェー対スウェーデン戦も裁いた。

 連日、会場には韓国戦以外でも大勢の観客が訪れ、全力でパックを追う選手を大歓声で応援する。山口さんは、「世界最高峰の大会は、独特の高揚感があります。ここに立つことができて誇らしいですね」と話し、笑顔を見せる。

 アイスホッケーはレフェリー1人とラインズマン2人でジャッジを行なう。この種目で日本人がパラリンピックの審判に選ばれたのは、地元開催の1998年長野パラリンピックを除けば、山口さんで3人目となる。ソルトレイクシティ大会にラインズマンとして、トリノ大会にレフェリーとして参加した笠原芳文さん(やまびこスケートの森アイスアリーナ職員)は、「普段からきちんと仕事をしていないと選ばれない。パラリンピックの審判団に選ばれるのは非常に名誉なことだし、山口さんが平昌の舞台に立つことをとてもうれしく思います」と話し、後輩の活躍に目を細める。