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ザンビアで武者修行。視覚障害者柔道で
東京のメダルを目指す半谷静香 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 佐山篤●写真 photo by Sayama Atsushi

 10月のIBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)ワールドカップ・ウズベキスタン大会でも、半谷は準決勝でこのカルメンに敗れている。今回はそのリベンジを誓って畳に上がっただけに、無念さがにじむ。

 だが、「実力は五分のところまできた」と、今年4月から半谷の専属コーチを務める仲元歩美コーチは言う。仲元コーチは半谷について、「スタミナはあるし一生懸命だけど、不器用なタイプ」と分析。彼女に足りないことは、「メンタル」と指摘する。

 そんな半谷が今夏、弱気の虫を克服し、自分の新たな可能性を見出す出来事があった。実は、青年海外協力隊の柔道隊員としてアフリカ・ザンビア共和国に派遣されていた仲元コーチの計らいで、今年8月には半谷も現地へ渡り、9日間の武者修行に励んだのだという。乱取り稽古の相手は、ザンビア人の一般男子の選手たち。そこで彼らのパワー柔道に耐えてチャンスを狙う感覚を養った。

 半谷は、貴重な経験をこう振り返る。

「ザンビアには視覚障がいの選手はいませんでしたが、力任せにやるところが似ていると思いました。私の柔道はずっと力を入れっぱなしだったんですが、今回、その抜きどころがわかったし、乱取り稽古で全部勝てたのが自信になりました」

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