シンプルだけど奥深い、
パラスポーツ「ボッチャ」の魅力は生観戦で (3ページ目)
一方、人工皮革は湿度など環境による変化がないので手入れも楽だ。常に一定のパフォーマンスが期待できるので、こちらを好む選手も少なくないという。
ボッチャの魅力について語ってくれた村上光輝強化指導部長。隣にあるのはボール専用のケース こうして選手は自身の体やプレーの特徴なども加味しながら、6球の中で、「転がるボール」「止まるボール」など役割を持たせ、使い分ける。コートの床材もボールの転がりや滑り具合に影響するので、マイボールの中から自身の戦略やコートの状態、相手などを勘案し、1試合ごとに「これという6球」を選び出す。勝負はこの選択から始まっている。
「ボッチャの面白さはボールの使い分けができる点」と村上氏も強調する。ゴルフのクラブ選択にも似ているが、難しいのはボッチャでは各球一度きりしか使えない点だ。「ここぞという局面」で使いたいボールが手元に残せているか、プレーの組み立ても重要になる。さらに、握り方や腕の振りなどフォームでも微調整しながら、自身が思い描いた戦略を実現していくのだ。
ボール以外にも車いすやユニフォーム、一部の選手がボールを転がすために使う補助具(ランプ)や手の代わりをする棒(アームポインター)など、こだわる用具はいろいろある。
「用具を使いこなすために、選手は自分の得手不得手を知ることも大切です。用具はたくさんあるので難しくもあり、面白さでもある。好みのタイプだけでなく、いろいろ試して、よりフィットするものを探すのも勝利に必要なプロセス」と村上氏はボッチャの醍醐味を語る。
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